ほとんどすべての人のための《神様学》入門(洋泉社)

ほとんどすべての人のための《神様学》入門

共著ではない単独の著書として、記念すべき第1作である。この本は、神様へのインタビューという形式で構成されている。神様自身が神様と精神世界に対する人間のさまざまな勝手な思いこみを廃し、神と人間との真実の関わりについて語るという構成である。神様について少しでも考えたことのある人なら、必ず突き当たる疑問にすべて答えつつ、話は求心的にかなりディープな宇宙論、人間論へと至る。執筆した理由は、あまりにも神や精神世界が無節操、無原則に語られている状況に、業を煮やしたからである。そこに一定の基礎づけなり、定義なりを設定しようとした壮大な意図による著作である。しかしながら、結果的には精神世界をめぐる怪しげな出版物の洪水の中に、さらに新たな一滴の怪しさを加えたに留まったと言える。この本の真価が認められる日はもう来ないのであろうか。

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