[プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール特別企画 「ネットと無料」ニュース

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[雑談からまじめな議論まで] 村松恒平 09/11/9(月) 14:33

Re:自分にとっての価値 村松 09/11/21(土) 12:53
Re:自分にとっての価値 火星紳士 09/11/27(金) 1:19
くすみ書房の取り組み 井元もとい 09/11/27(金) 20:43
Re:くすみ書房の取り組み 火星紳士 09/11/28(土) 11:08
Re:自分にとっての価値 09/11/28(土) 4:37
Re:自分にとっての価値 火星紳士 09/11/28(土) 11:50
Re:自分にとっての価値 09/11/28(土) 15:38
思いつき 重い月 09/12/11(金) 17:13
Re:思いつき 村松 09/12/12(土) 20:40
Re:思いつき Ashita 09/12/13(日) 16:23
Re:思いつき 重い月 09/12/13(日) 18:12
Re:思いつき Ashita 09/12/13(日) 23:11
Re:思いつき 重い月 09/12/14(月) 4:16
Re:思いつき Ashita 09/12/14(月) 10:59
Re:思いつき 重い月 09/12/14(月) 16:22
Re:思いつき Ashita 09/12/14(月) 19:05

Re:自分にとっての価値
 村松 E-MAIL  - 09/11/21(土) 12:53 -

引用なし
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   ▼華さん:

>私にとってはやはり「売れているもの=良い作品」ではありません。

そうなのです。
いわゆる一人勝ちの状況というのは、どんどん加速していますね。

編集者は、自分の作りたい本と売れそうな本のせめぎあいの中で企画を考えていた部分があるのですが、今は本当にわかりやすい売れ線でないと、会議に通りません。

売れ線を狙って売れないというのがいちばんさびしいのですけどね(笑)。


表現物はよりインディペンデントな、小規模流通を目指すのかもしれません。
しかし、本というものは3,000部くらいは刷らないと趣味の領域を出ません。

中規模以上の出版社であれば、3,000部というのは少なくてバカにしていた部数ですが、いま、その部数がなかなか売れないですね。

Re:自分にとっての価値
 火星紳士  - 09/11/27(金) 1:19 -

引用なし
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   ▼村松さん:
>▼華さん:
>
>>私にとってはやはり「売れているもの=良い作品」ではありません。

>そうなのです。
>いわゆる一人勝ちの状況というのは、どんどん加速していますね。
>
>編集者は、自分の作りたい本と売れそうな本のせめぎあいの中で企画を考えていた部分があるのですが、今は本当にわかりやすい売れ線でないと、会議に通りません。


コレを見て、フト思ったのですが、『「売れているもの=良い作品」ではない。』
ということは、読者の視点でいうと『「多くの人が買ったもの=良くない作品」』

ということになるわけですよね。となると、多くの人が、

「うっかり買ったけど=つまらなかった」とか

「たまに小説読んでみようと思ったけど、=やっぱりつまらなかった」と思ったり。

「こんなに有名で売れている作品が、=この程度なのか。=だったらもっと売れていないものは=ヒドイに違いない」と思ってしまったり。

なんだか負の回転が(^^;


ワタクシも昔は、そんなに小説を読む方では無かったので、こう思うのですが、

「あまり小説を読んだことの無い人にこそ、小説の楽しさがわかる本を勧めてほしい」と思うのです。

(難しい通好みの本と、本当にいい本を分けるのは難しいですけれど、)

そういった本を強く勧める人々(団体)の発言力が強くなれば、流れが変わるのかも知れませんね。(出版社や売り上げ情報よりも、信頼が置ける情報源もしくは人、コミュニティなど)

秋葉原の人々が徐々に発言権を得てきたように、「ここが良いんだ」とか「こういったところが面白いんだ」とか、強く発言し続ける人々が必要なんでしょうね。うむむ。


今までも本のガイドブックというものは数多く出版されてますし、雑誌も出ていますが、選者の(プライド? 見得?)が働くのか、ちょっと難しい本を選びがちな気もします。(簡単で良いもの、というのもまた難しいですが)

読書ファンを増やすために、もっと簡単な、児童文学から読み始めて、次はこれ、その次はこれ、と段階を踏んで紹介するとか、なにか工夫が必要なのかも知れませんね。いまさら大人が児童文学をというのもあるでしょうし、なにか名案があればよいのですが。

読み方のコツを教えるとか、うむむ。

くすみ書房の取り組み
 井元もとい  - 09/11/27(金) 20:43 -

引用なし
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   札幌の書店、くすみ書房では新たな読者を掘り起こすために様々な取り組みをしています。
代表的なものに「中学生はこれを読めフェア」(吾妻ひでおの『失踪日記』までありました。たまげました)「なぜだ!?売れない文庫フェア」(普段本屋に並んでいない文庫本〔次郎物語や尾崎翠〕が売れるか試してみよう)などです。
こうした取り組みで新たな読者層が開拓されるといいですね。
特に中学生の本離れストップにはいいかもしれません。棚を直接見ましたが、ちょっと私も買いそうになりました。実際に買いました。
詳しくはhttp://www.kusumishobou.jp/

Re:自分にとっての価値
   - 09/11/28(土) 4:37 -

引用なし
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   火星紳士さんへ


>『「売れているもの=良い作品」ではない。』
>ということは、読者の視点でいうと『「多くの人が買ったもの=良くない作品」』
>
>ということになるわけですよね。


誤解があってはいけないので書き込みさせていただくのですが、私はそういう意味で書いたのではなく、必ずしも「売れているから良い作品である」ということは言えない、という事が言いたかったのです。
世の中で売れるものの中には本当に質の良いものも多々ありますが、お金をかけたPRやマスコミを利用した販売戦略が功を奏したものもいくらでも混ざっています。企業が売りたいものを前面に押し出してきて、あの手この手で消費者の気を引いて、それしか目に入らないような雰囲気にしてしまうのです。どこからともなくブームを作るのですね。知らないうちにコントロールしようとしているな〜と、私なんか時々反発したくなるのですが(笑)これでは確かに細々と魂を込めて頑張っているクリエイターがいても見つけにくい、見つかりにくいなぁと思うことがあります。資本が違うというか……。ネットは、上手くやればそういう人にもチャンスを与えてくれるのですけれども、誰でも自己プロデュースできるわけではないですしねぇ。

主観のままに他人に薦めることは結構不毛だと思うのですが、普段本を読まない人に、わかりやすく本を読む楽しさや作品の良さを知ってもらうこと自体はとても有意義ですね。
ただ、普段本を読まない人というのは本を必要としていない人で、どれほど宣伝しようが薦めようが読まないんじゃないかなという気もするのですが…(苦笑)

「本を手に取る人が本に何を求めているのか」も昔と今とでは違うのではないでしょうか。
そして時代とニーズに合ったものだけが売れていく、というのも現実なのでしょう。読書を単なる暇つぶしと捉えている人は、テレビやゲームやネットサーフィンなど代替になるものがあればそれでOKという人もいるでしょう。

しかし本を読まない人が増えたというのには、なにかもっと現代的かつ精神的な、すぐにはどうこうできない根深い問題もあるような気がしてなりません……。

Re:くすみ書房の取り組み
 火星紳士  - 09/11/28(土) 11:08 -

引用なし
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   ▼井元もといさん:
>札幌の書店、くすみ書房では新たな読者を掘り起こすために様々な取り組みをしています。

面白い書店ですね(^^ こういった取り組みはすごくいいです。
ワタクシも中公やちくまが好きなので、写真をみてにんまりしてしまいました。
良いものを宣伝するという事は素晴らしい。これからの日本は質の良い文化を売りにしていかなければいけませんねー(大げさですけど(^^; )

Re:自分にとっての価値
 火星紳士  - 09/11/28(土) 11:50 -

引用なし
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   ▼華さん:

もちろんです(^^ いいものもあります。

ワタクシが言いたかったのも「売り上げが多い」だけを本選びの基準にすること。それを前面に出して宣伝する出版社側の戦略。これが本を選ぶ上で、ちーっとも役に立ってないということで。どちらかというと逆効果な面も・・・

なので、ここらで別の方向からのアプローチを出版社側にして欲しいな。と思った次第です(^^;

本を選ぶ側も、どれを基準にしたらいいかわからないのだと思います。(自分もよくわからないです(^^;)

たとえば、「何万部突破!」という本を選ぶよりも、「夏の100冊」と書店に並んでいるものの方が「良い作品」が多くて、たまに小説を読む人には、こちらの方が向いているし、ハズレがない。

という事を、普通の「本をあまり読まない人」は知りません。これを喧伝するだけでも、本のファンを増やすという点については、ずいぶん違うと思います。

それでも難しいな、と思う人に、「大人も感動、見逃した児童文学をもう一度読もう」とかいった運動なり、キャンペーンなりをやれば、良い本に出合えて、本の楽しさが伝わるのでは? などと考えています。

今のところ、ネットや紹介本では、個人個人でバラバラのお勧め本を紹介している段階ですが、ちょっとした本の読み方のコツや、(最初は辞書を見ながら読むとか)(海外物は10ページくらいはガマンして読む)とか、そういった簡単なコツとか楽しみ方とか、順番に良書を読める下地を作ってくれるような。そんな、コミュニティ・流れ・集い・等等。が欲しいなと思うのです。

とにかく、本は「おもしろーい」というムーブメントを起こせば、それなりに人気が復活するのでは? と。


やっぱり、「慣れ」ないと良い本も見つけられないですし、そんな人(私?)を手助けしてくれる何かがあればいいな。っと、なんとなくアピールしてしまいました。

意味的には、個人の発言というよりも、興味のある内容だったので、乗っかって書いちゃった。というのが真相です。(^^;

もし、誤解云々で気になされたのであれば、ごめんなさい。売れてる本でいいものもあります。もちろんです(^^; 出版社側の宣伝方法が、ちょっと気になっただけなんですね。(なんか、昨今の報道は、ゴシップ雑誌と変わらない扱いばかりで、ちょっと不満があったのですね、たぶん・・・)

Re:自分にとっての価値
   - 09/11/28(土) 15:38 -

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   ▼火星紳士さん:

そうなんですね。

私には、本屋さんも店頭にはキャッチーなものを並べたりしていろいろ奮闘されているように思います。流行の作家の作品から真面目な小説を漫画にしたものとか、表紙が派手で綺麗なものとか手に取りやすいものがたくさん並んでいて、私も気になってパラパラ読んでみるのですが、そもそもの本好きにはあまり刺さらないものが多いかな?という印象で。
でもあまり本を読まない人には良いアピールになるんじゃないかなという。

面白い・つまらないというのがそもそも主観的なもので、いろんな人に興味を持ってもらうにはそれこそいろんなタイプのものを取り揃えなければならなくなるんですが、1冊読んでつまらなかったからもう本を読まない、という人はやっぱり読む気のない人なんじゃないかなと思います。読む気のある人はきっと、他を当たりますよね(笑)

それと同じで、地道なアピールを繰り返して興味を持つ人というのは、全体的な本の売り上げに結び付かないほど微々たるものだと個人的には思います。だからって無意味だとも思いませんが、作家やライターさんの原稿料が飛躍的に上がるほどでは決してないだろうなー…と。
私は頼まれでもしなければ本を他人に薦めるということをしないし、本が売れないのも本が読まれないのも仕方のない時代の流れのように思うのでそんなふうに考えてしまうのですが(死活問題の方には申し訳ありません)

極端な話、読む気のない人はテレビもネットもゲームもない穴倉に閉じ込めて本を1冊与えて初めて手に取るか取らないか、というくらい読む気がないと思う(苦笑)
今の世の中は、そんな人がかなり多いのではないでしょうか。

思いつき
 重い月  - 09/12/11(金) 17:13 -

引用なし
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   読書により、書く力が上がったと実感したことがありますか?
外国文学の和訳って、名作だったとしても文法・文脈に違和感を覚えながら読む箇所がありますか?
和訳のギコチナサが、外国文学の魅力のひとつだったりします?
名文と名作って違いますよね?
長い小説は、何巻かに分けられてるのより、ぶっとい一冊になってるのが好みですか?
文章上達系の本って、今までに結構読まれました?
異性の作家の小説を読むことより、同性の作家の小説を読むことが多いですか?
持ってる小説を作者ごとに分けると、何人分になりますか?
小説、読んでますか?


思いつき。

全yes&38人

Re:思いつき
 村松 E-MAIL  - 09/12/12(土) 20:40 -

引用なし
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   ▼重い月さん:

なかなかよい質問♪

Re:思いつき
 Ashita  - 09/12/13(日) 16:23 -

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   ▼重い月さん:
>読書により、書く力が上がったと実感したことがありますか?
  △ 書く力はわかりませんが、文章の違いを感じる力は上がったと思います。
>外国文学の和訳って、名作だったとしても文法・文脈に違和感を覚えながら読む箇所がありますか?
  ○ 一つの文が、数行に渡る長文になっているときには違和感というか、
    読みにくさを感じます。
>和訳のギコチナサが、外国文学の魅力のひとつだったりします?
  ○ サガンから外国小説に入門したせいか、いわゆる翻訳調は好きです。
    訳者にもよりますが。
>名文と名作って違いますよね?
  ○ 読みにくくても、ひきつけられる文章が、確かにあります。
>長い小説は、何巻かに分けられてるのより、ぶっとい一冊になってるのが好みですか?
  × できれば分けてもらったほうが有難いです。
>文章上達系の本って、今までに結構読まれました?
 ○ 小説家志望ではないのですが、文章を書くことが好きなので、いろいろ読みました。
   日常生活で必要な文章を書く上では、勝吉章さんの「X氏のインターネット文章講座」の、
   33項目あるヒントが、とても参考になりました。 
>異性の作家の小説を読むことより、同性の作家の小説を読むことが多いですか?
  × 小説を読むなら、とくに意識して選んでいません。他のジャンルなら目的に応じて。
>持ってる小説を作者ごとに分けると、何人分になりますか?
  ? 持っている小説の数とそれほど変わらないと思います。
>小説、読んでますか?
 △ 読書好きですが、小説以外が多いです。小説を読むときは、ほとんど外国の作品です。
   外国の作品は、時代の背景や民族、文化など、ストーリー以外の部分も
   新鮮に感じるので。
   (日本のドラマは見ないけど、アジアや欧米のドラマは、もの珍しくて見てしまう、
    というような。日本のものも、時代が違うものは読んだりします。)
   日本の小説で、今、手元に残してあるものは、新田次郎さんと佐藤亜紀さんの
   本だけでした。読んだ、という意味では当然もっと多いですが。
   (ノンフィクションやエッセイ的なもの、新書などなら、たくさんあります)


ところで、こちらからも質問させていただいてよろしいでしょうか。
 
「私のような、本好き、読書好きといいながら、文学作品や、小説を中心としては
 読まない者について、どう思われますか?」

Re:思いつき
 重い月  - 09/12/13(日) 18:12 -

引用なし
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   ▼Ashitaさん:

>私のような、本好き、読書好きといいながら、文学作品や、小説を中心としては読まない者について、どう思われますか?

別に良いと思います。どこかでどなたかがおっしゃっていました。
『読書は孤独になることができる、ほとんど唯一の行為』
孤独になることの善し悪しは、どうでも良いです。ただ同じように感じていますし、感じられるから読書を続けているんだろうと思います。現実逃避、と自覚してしまいそうになることもないではないのですが。
文学作品や小説でなくても、読書は素敵です。ときどきエッセイを手にします。十分孤独を感じることができます。

先週読んだ、『わたしは変温動物』という山田詠美の初エッセイ本は、やはり一晩を孤独にしてくれました。
おもしろい箇所が二つあったので、抜粋します。

1『私はいつも本を読むとき、それを大切にしている。訳が解らないが、少しせつなくなったり、甘い悲しい気持ちになったりするのは誰でもあることだと思う。そして、それは少し困難な事でもあると思う。大きな悲しみやとてつもなく幸福という感情は、物理的な事件によって意外と容易く味わえるものだからである。なんとなくせつない、おかしくもないのに笑いがこみあげるという感じ方は、感性を退化させると出来ないものだと思う。そして、感性の退化した小説は、人間をそういう気持ちにさせることが出来ない。』(「よい小説」より)

よい小説は、感性にうっすらと触れてくる。またそれは、感性のある人にしか読みとることができない、といった意味だろうかな、と。
「モウケの仕組み」をうたった本が、こんな書き方してたら信用ないでしょうね。
小説・文学作品にしか出来ない、また許されない芸当なんだろうと思いました。
同じ読書でも、読み方が全然違う。
前に書いて削除しましたが、
「参考書・辞書」は、受け身の姿勢で読める。
「小説」を読むことは、能動的な行為。
それともつながっていそうだなと思いながら記事を読みました。

2『紳助(島田紳助)のMTVの録画撮り。この紳助さんが、またいいのだ。すごく真摯な人。私、テレビに出て、久し振りに楽しかった。(略)
紳助さんは、今、小説を書いているというから、私は、帯にコピーを書く約束をする。
彼は、本を売るのに、直木・賞というペンネームを使おうかと言って、スタジオ中、大爆笑。』

売れる・売れない、理想と現実。的確に揶揄しているエピソード。

Re:思いつき
 Ashita  - 09/12/13(日) 23:11 -

引用なし
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   ▼重い月さん:

質問のご回答を有難うございます。

読書好きにも、いろいろなスタイルがあっていいのですよね。
(私は小説メインで読書をしないことを、引け目に感じる時がありまして…)
孤独に浸って、自分と本が静かに対話できる時間の魅力は、読書ならではのものですものね。

私は、これまでずっと、自分の知らない世界や他の人の物の見方を知ったり、
知的好奇心を満足させたい、何か困ったときや悩んだときの解決を見出したい、
そんな目的で本を選び、読んできたように思います。

小説でももちろん、そんな思いを満たしてくれる素晴らしいものがありますが、
どうしても、小説を読むよりも、エッセイなどで著者の生の声を聞きたい、
ノンフィクションや学術系のもの、実用書などで、ダイレクトに好奇心を満たしたいといった、
自分の知りたいことに答えを出すための読書、になってしまいがちなのです。

実は、今回、重い月さんの投稿(質問)を目にして気づいたものがありました。

私は、今まで、このサイトに投稿させていただきながら、自分の視点や意見に一貫性がなく、
どうもひっかかるなと思っていたのですが、その原因らしきものがわかったのです。

このサイトに訪れる方は、おそらく村松先生のメルマガから来られている方が多いでしょう。
(私もメルマガ読者ですが)そのような方々なら、「本好き≒小説好き」
「文章を書く≒小説を書く」と、認識している方が多いのかな、と思ったのです。
当初、私は、そうはとらえていなかったのですね。

ですから、私の初投稿では、「無料の情報は自分でも活用させてもらっているし、
別によいのでは?」といった意見でした。それが、ここにきてやっと、ネットの影響で
「文章でできた作品」と「文章による情報・ネタ」が混同されて、それらの価値、
無料、有料の境目がぼんやりしてくることが問題視されているのでは、と気がついたのです。

齋藤孝さんが「座右のゲーテ」(光文社新書)P151「消費されない作品」の中で
書いていらっしゃいます。

― 今のビジネス社会は、すぐにダイレクトに大衆に受けることを最優先事項に
  おきがちである。
  だが、そればかりを意識すると、一瞬にして消費されてしまって終わりである。―

ただし、情報が作品となったり、作品が情報を兼ねることもありえますよね。
(レシピ本は情報?作品?…闘病生活や困難を乗り越えた体験本は作品?情報?)
私の読書やネット閲覧は、作品を読むより、情報を読むためのものに偏っていそうです。

すみません、話がそれてきてしまいました。

私も、これから、もう少し小説を読もうと思います。(能動的に!)

Re:思いつき
 重い月  - 09/12/14(月) 4:16 -

引用なし
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   ▼Ashitaさん:
おっしゃるように、「本好き≒小説好き」「文章を書く≒小説を書く」、という認識をお持ちの方は少なくないと思います。さらに「小説=名文」「小説家=名文書き」といった思い込みも。
わたしもそうでしたが、この二年ほどで違うとわかりました。かつてないペースで小説を読んでみたのです。その結果が、「名文と名作は違いますよね?」「和訳のギコチナサが、(外国)文学の魅力の一つだったりしますよね?」と言わせたのでした。

十年ほど前に読んだ本で、作家重松清が語っていたことを理解できました。
『小説には悪文が少なくない』
『雑誌や情報誌の記事は、名文(そこでは「達意平明」とほぼイコールとして書かれてありました)でないといけない。コンピューターのことに関して、稚内で昆布漁をしている人にも伝わるように書くことが求められる』
と言ったような内容でした。

誤解覚悟で言うと、

・名文=達意平明=誤解を生みにくい分、情報伝達に向いている=一語一語にひとつの意味しかない=一度の読みで理解できる=解釈解読はすぐに完了する→咽下・消費

・悪文=クセ・味を持っている=含みや行間により、幾通りにも解釈されてしまいかねない=一語一語のもつ意味が、本来の意味以外のものである可能性も孕んでいる=何か本当に言いたいことは他にもあるような気がする=完読してなお残る読後感→咀嚼・保留


Ashitaさんのおっしゃる、
>「文章でできた作品」と「文章による情報・ネタ」が混同されて、それらの価値、無料、有料の境目がぼんやりしてくることが問題視されているのでは、と気がついたのです。


悪文で書かれた情報は無価値ないし信用性の低い情報になりかねませんよね。
情報には情報に相応しい書き方。小説には小説に相応しいかたち。
『相応しい伝え方』

情報に関しては紛らわしさのない、有用なもののみが結局選ばれていることだろうし、無料ならなお選ばれますでしょう。有料でも選ばれてるものもありますよね。
ただ、有用であるかどうかは提供者が一人叫んでもどうしようもない。判断する人がいないと。判断する人をどうやって募るか。無料は間違いなくひとつの手段でしょう。その後は工夫しだい、段階的に有料化するとか。無料はここまで、さらに詳しいことは書籍で、とか。
受け手側の問題というよりも、提供者自身による提供物のもつ価値の見極め・披露の仕方、こっちの方が甘い気がしています。

無料のものが無価値ではないし、情報であれ作品であれ、提供者が金銭対価を求めるなら有料にすれば良いし、広く知られることを求めるなら無料にするのもひとつの手。入会料だけとるとか。また情報公開日を決めておいて情報価値20,000円に設定、閲覧費は情報価値金額を閲覧希望者の人数で頭割りした分とか。自腹分を減らすために口コミが自然発生するかもしれないし。閲覧希望に到らなかった会は次回以降に持ち越し。持ち越しの間にも好奇心をくすぐり続けるとか。工夫。絶対になにかあるでしょう。

価値があるものを無料で提示しておきながら、タダで手に入れやがって、なんてことは通りませんでしょ?
良さそうって言っておきながら、金をとられると分かったとたん必要ないってか。→そりゃそうでしょうね。
良いものだってはっきり分かる、趣味も合う、買う金に余裕もある、28,000円のジャケット。どこの店でも無料では置いてなさそうだ。→きっと買うでしょうね。
『相応しい提供の仕方』


重松清はこうも言っていたように思います。あくまでもわたしの解釈ですけれど。
『名文を書くコツは、誰がこれを読むのかを意識して書くこと』
『誰がこれを読むのかを意識して書くことができれば、例えば小説を書く場合、その作品には「ぼく」「僕」「ボク」のどの表記が相応しいかを、感覚的に使い分けることができるようになる』 と。

名文家の小説家は、悪文も書けるのかもしれないですね。必要に応じてあえて悪文を書いているのかも。悪文のスタイルを好むファンに合わせて悪文で書き続けている。また、名文も書けるのだけれど、悪文が自分の書きやすいスタイルなのかもしれないし。作品ごとに今回はどうするか(内容も書き方も、書く目的も)対応しているんだろうなぁと思います。

書く物を名文にするか悪文にするか。提供する物を有料にするか無料にするか。
読み手(受け手)は、現れたものを判断するのみ。
『相応しい出し方』、これこそ問題じゃなかろうかと思っています。


受け手の判断の目、趣味、感覚、基準、価値観の低下?
無料、有料問題の原因であるかどうか、もうひとつ実感がないんです。
これが本当であるならば、被害を受ける人、ほうっておけない人、が何とかしていくでしょう。

価値観の多様化、一つに集まってたものが分散、一つ一つが小さくなるのは必至。
村上春樹が一人勝ちであるとするのなら、文学の世界は多様化していないのかもしれない。
文学に描かれていることは、結局人間のこと。真理なんて数はなさそうですし…。多様化しづらいのかもしれない。

村上春樹自身は時代をどう感じているんだろう。無料で誰でも見られる春樹サイトあるのかな?なければ1Q84買いに行くしかないですね。それしか手がなきゃ買う他ない(社員割引使えることだし)。


思いついたまま書いてたらこんな時間!
二時間しか寝られない…。
Ashitaさん、おやすみなさい。

Re:思いつき
 Ashita  - 09/12/14(月) 10:59 -

引用なし
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   ▼重い月さん:

昨日、いろいろと考えてから、投稿したつもりでしたが、送信してから、
「あれ、新聞だって情報だし」と、文章を作品と情報、みたいにすぱっと二分する
ように書いてしまったなと、もやもやしていました。

名文、悪文という視点からの作品や情報の捕らえ方、なるほどと思いました。
村松先生のおっしゃる、「ネットには編集者がいない」「亜流は亜流」という点にも
つながりますね。

今までも、投稿のたびに、自分の中で考えていることがうまく表現できなくて、
もどかしかったのですが、重い月さんの、理路整然とまとめられたコメントを読んで、
このテーマのことを、すっきりとわかりやすく整理していただいたような気分です。

重い月さんのコメントに対して、もっときちんとコメントしたいのですが、
うまく表現できません。つくづく、自分の考えを文章で表現するというのは、
難しいものです。

ところで、最近、Twitterが脚光を浴びています。
『Twitter革命』(神田敏晶著:ソフトバンク新書)
の中からTwitterの魅力をいくつか挙げると、

 ・140文字の字数制限  
 ・情報のリアルタイム性
 ・伝播力、伝播の速さ
 ・引用、転載のしやすさ
 ・メールを超えるコミュニケーション

などがあり、1つ目の字数制限に関しては、
「(短歌や盆栽、原稿用紙など)制約の範疇にキレイに納めることに様式美を感じる
 (日本人の)DNAが、ツイッターへの書き込み意欲を刺激しているのではないか」
とあります。※()内の言葉は私が前後の文から補足しています。

携帯電話のメール機能の出現で、若者が以前より「文」を書くことにつながった、
という見方があるようですが、それが、Twitterのようなものの出現で進化して、
文を簡潔に書く、要点をしぼって書くといった、表現力に目覚めるきっかけに
なればと思います。
(そこから読書に目を向ける、ということにはならないかもしれませんが)

一方、引用、転載のしやすさを考えると、有用性、信用性、著作権のあるなしにかかわらず、
ありとあらゆる情報、著作、音楽、画像、映像などが、今まで以上に、ネットの上を
駆け巡ることでしょう。

(ただし、Twitterは、アカウントが必ず添えられ、まったくの匿名性ではないので、
 極端な使われ方や、信用性のない情報などは、自然と淘汰されると、著者は
 おっしゃっていますが。)

私も、この著書を読む少し前から、Twitterをはじめましたが、本当に、情報の
飛び込んでくるスピードの速さにはびっくりしますし、その量の調節の仕方、
収集先の選び方も自分次第でカスタマイズできるというところにも魅力を
感じ出しています。

ただ、それなりに本を読み、名文と悪文の見分けがある程度わかる人が使うのはともかく、
中高校生がTwitterやメールの中だけで「文」を知り、読み書きしていくと
どうなってしまうのか、という危機感はありますが。

とはいえ、明治〜大正〜昭和を生きて来られた方からすれば、私たちが今使っている
言葉や文章の書き方も、およそ褒められたものじゃないと感じられるかもしれません。

結局、話し言葉も書き言葉も、どのような形で今後残っていくかは、私たちひとりひとりの
言葉との関わり方次第なのでしょうね。

Re:思いつき
 重い月  - 09/12/14(月) 16:22 -

引用なし
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   ▼Ashitaさん:
Twitter。今のところ、ピンときておりません。 うちは夫婦ともども携帯電話を手放さないか、と言ってるぐらいで。パソコンと固定電話があれば、ほんと事足りる気がするので。
時間潰しになる?小説読みます。緊急な時に便利。でも、家か職場にいるから、いつでも捕まえて下さい。

 ・140文字の字数制限 ・・・・・・えらく短いですね。
 ・情報のリアルタイム性・・・・・・どこかで今起こったばかりのことを、たっ                  た数分のラグの内に知りたいとまでは…
 ・伝播力、伝播の速さ・・・・・・津波が打ち寄せるより早く警報を伝播できれ                 ば、とても有用ですね
 ・引用、転載のしやすさ・・・・・・?
 ・メールを超えるコミュニケーション・・・・・・「あ、そうなんですね…えへ                         へ」としか…

と、よく知らないのでTwitterに対する感想はこんなものしかでてこないです…。
ワールドビジネスサテライトで、その上手い使い方を特集してたのを見ました。
自分の生活リズムになくてはならない状況になったら試してみます。不要と判断したら、携帯電話のように。有用なら大いに利用(しようと)しているかな?


「引用」に関する件。引用するたび「うーん…」と言いながら、結局丸ごと引っ張って載せてしまっております。せめてそこを自分の言葉で書き改めたものを載せるよう努めます。


以上でーす

Re:思いつき
 Ashita  - 09/12/14(月) 19:05 -

引用なし
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   ▼重い月さん:

はい。おっしゃるとおりで、Twitterにしても、携帯、メールにしても、
とりたてて無くて済む方にとっては、操作を覚えたり、いちいち相手をする!?
時間をとられるのも、馬鹿らしいものです。
(Mixiで応対に?疲れきってしまう方とか、メールの返事が遅いことを気にしすぎて
 しまう方がいらっしゃるそうですが、本末転倒ですよね。)

私は、仕事がら好きなときに、自由に携帯電話でアクセスできるので、
メモしたいことをタグ付きでTwitterに入力しておいて、必要なときに検索をかける、
といった、ツール的な使い方がメインだったりします。

ご自分で何かの組織やグループを運営されている方、交友関係の広い方には、
いろいろと有用な使い方もあるのでしょうが、手持ち無沙汰なときのいい時間つぶしになる、
というのが一般的な使われ方かもしれませんね。

でも、普段接しない人の発想や営み(昼夜逆転している人とか…)が垣間見れる、
(場合によっては会話ができる)というのは、小説を書かれる方なら、人間観察の場として見れば、
相当面白いのではないかな〜と思いました。

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