[プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール特別企画 「ネットと無料」ニュース

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[雑談からまじめな議論まで] 村松恒平 09/11/9(月) 14:33

Re: 興味深く拝見しました。 az 09/11/14(土) 8:12
まぐまぐの変遷と坂本龍一 村松 09/11/14(土) 10:35
坂本龍一さん 村松 09/11/16(月) 17:37
Re:坂本龍一さん az 09/11/19(木) 17:19
Re:坂本龍一さん 村松 09/11/19(木) 21:54
Re:坂本龍一さん Mr.Spice 09/11/19(木) 21:05
Re:坂本龍一さん 村松 09/11/20(金) 11:08

Re: 興味深く拝見しました。
 az E-MAIL  - 09/11/14(土) 8:12 -

引用なし
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   村松先生、こんにちは。質問をさせて頂いた者です。
「ネットと無料」について、反響がとても大きかったようで、私も驚いています。

村松先生のコメント、および他の方のご意見も拝読しました。

私もこの件に関しては、文化、経済はもちろんのこと、
「子育て」「教育」から端を発している部分も大きいと思います。

「親の本棚が、将来の子供の本棚」と考えるならば、
今の状況は必然かもしれません。

「本好きな子に育てたい」という知育ブームが本当に功を奏しているのなら、
今頃、日本は、本好き青年でいっぱいのはずですものね。

今も、「読み聞かせ知育教材」は大人気ですけど、
おかしな話だと思います。

ところで、「ネットと無料」について、私が一番シンボリックに感じるのは、
「まぐまぐ」の変遷です。

私も99年から始めたまあまあ古株ですし、
村松先生もその頃から「ホーリーマウンテン」などで活躍されてましたから、
よく記憶されていると思いますけれど、
「まぐまぐ」の辿った歴史を見ると、今の無料文化の行き着く果てを強く感じずにいません。

まだ創始者の速水さんが現役で頑張っておられた頃、
「まぐまぐ」には「読者数の表示」という機能がありませんでした。
数を表示すれば、部数の多いものだけに注目が集まってしまう。
部数の少ないものでも良いものはたくさんあるから、
読者さんが先入観なしにマガジン選びができるように、との配慮でした。

でも、「まぐまぐ」が注目を集め、発行者が爆発的に増えた頃から、
読者数が表示されるようになり、それに伴って、広告色が色濃くなりはじめました。
コツコツ頑張っていた小さいマガジンの発行者がヤル気を失い、
発行部数、購読数ともに加工するにつれ、広告の単価も下がり、
次に運営側が目を付けたのが、「発行者から広告費を取る」というシステムでした。

今は、ベラボーに高い広告費を払った発行者のマガジンが「おすすめ」として優先的に表示され、
お金を払わないマガジンは存在しないにも等しいような感じです。

まさに「金で買ったタイトル」ですよね。

ゆえに、個人がもっと読者を獲得しやすいブログに流れ、
その結果、ますます運営が苦しくなり、発行者の広告代に頼らざるを得なくなっている、
そういう印象があります。

これが本当に、創設時の「まぐまぐ」の描いていた未来図なのだろうか、と。

それなら、発行者から月額数百円の「発行料」を取って、
その代わり、誰でも公平にチャンスが与えられるシステムにすればよかったんじゃないか、
とも思います。

完全なボランティアでもない限り、「無料」で存続できるものなどあり得ないし、
制作者が、広告以外に、真っ当な報酬を回収できるシステムが確立されない限り、
破壊的な現象は歯止めが利かないように感じます。

私は、村松先生の「より単純に強いものを強くしただけ」という言葉が、
今の検索文化を物語っているように思いました。

確かに、Googleをはじめとする検索ツールは、
何億と存在するサイトから、必要な情報を瞬間的にはじき出し、
目の前にズラズラを並べてくれる。

一見、テクノロジーに基づいた、公平な結果に見えますけど、
ユーザーがやっていることは、
無意識的な「数の信奉」であり「弱者の切り捨て」です。

自分は確かな目で情報を選別しているように見えても、
100以下の結果は見ないとしたら、
それはやはり数において劣るものを切り捨てていることに他なりません。

結局のところ、力の作用によって「たえず目に触れる上位の情報」だけを相手に
考察しているのです。

となると、やはりネットにあるのは「強弱」であって、
強いものがより強くなるシステムに他ならないのですよね。今は。

でも、ミュージシャンの坂本龍一さんがこんなことを書いておられました。

坂本龍一さんに聞く ネット時代の音楽表現とは
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY200812180219.html

 「ネットのおかげで、ぼくはたくさんの人に聞いてもらうことが音楽を作る動機にならないことが逆に分かった。アマチュア時代に戻ったような新鮮な感覚だ。顔の見えない、何をおもしろがるのか分からない大量のユーザーのために音楽を作る必要性を感じない。作りたい音楽があるからやっている。テクノロジーも100%は信用していない。結局はぼく自身の体にしかよりどころはない。自分の耳がどんなメロディーを聴きたいか。それを突き詰めていく」
 
そのフォロー記事

「君たちのためじゃないよ」〜ウェブ歴15年の創作活動(1/3)
http://allatanys.jp/B001/UGC020005120090121COK00214.html 

も面白いです。 
 

数への信奉がある一方、それがキッカケとなって、自分自身に立ち返る人もいる。

これは心強いことだと思います。

あちこちで溜息をつかなくても、もしかしたら、
おかしなシステムは自ずと滅ぶのかもしれません。

まだ「終わり」ではない、と、私は信じているのですが。。

長くなって、ごめんなさい。この話は本当に尽きないですね。。

まぐまぐの変遷と坂本龍一
 村松 E-MAIL  - 09/11/14(土) 10:35 -

引用なし
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   ▼azさん:

まぐまぐの考察、とても具体的で面白いです。

ネットの歴史と構造そのものですね。

坂本龍一氏関係のリンクも、みんな同じことを感じ、考えているなあ、と思わせます。

内容がわかりやすいようにタイトルを変えてみました。


数と違う原理をどう実現するか、ということを考える時代かもしれません。

しかし、お金の便利さもまた「数」の便利さなので、脱数字は、脱お金なのです。
それを実現するためには、自然の豊かさを新しく利用していくような知恵が必要だと思っています。

坂本龍一さん
 村松 E-MAIL  - 09/11/16(月) 17:37 -

引用なし
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   しかし、考えてみれば、坂本龍一は功成り名遂げています。
「世界の坂本」であり、金銭的にも、自身の才能発揮機会や作品の発表機会にも、困らないですね。

余裕があっての発言とも言えます。

それでこの種の発言をするというのが、彼の感度の鋭さだと思います。

Re:坂本龍一さん
 az  - 09/11/19(木) 17:19 -

引用なし
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   >余裕があっての発言とも言えます。

村松先生。お返事ありがとうございました。

坂本さんのお話は、本当にそうですよね。
これだけハッタリ的なことを口にしても、現実的な話、
坂本さんが「古本屋のオヤジ」になったり、
CDが1枚も売れなくなるようなことはあり得ませんもの。

でも、確信犯的に、誰もが抱えているモヤモヤをすらっと代弁するあたりが、
やはりシャープなのでしょうね。

一般人が口にしたら、野菜を投げられるだけでしょうけど・・。

「まぐまぐ」は私にとって、とても革新的な出来事でした。
ああ、やっとこういう時代が来たんだと、心底嬉しかっただけに、
あっという間に、
発行者減→読者減→広告費減→メリット無し発行者減→読者減・・
のデフレスパイラルに陥ってしまったことが残念でなりません。

それに対して、ブログ・ブームは、きっと長く続くでしょう。

アフィリエイトが絡めば、幾ばくかでも費用を回収できる、というのが
ミソだと思います。

が、それだけに、人々の競争も激しく、
「品質」だけで浮かび上がるのはますます難しい一面もあるかもしれませんね。

にもかかわらず、作る側も読む側も、なんだかんだでネットの中に棲み分けして、
いい情報を取る人は、どんどんいい情報を吸収し続けるし、
そうでない人は、いつまでもいい加減な物事に振り回される、
という風になっているのかもしれません。

いろいろ積もる話がいっぱいですが、今回はこのへんで・・。

Re:坂本龍一さん
 Mr.Spice E-MAILWEB  - 09/11/19(木) 21:05 -

引用なし
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   ちょっと話はずれますが…。
坂本龍一はどこかで、そもそもプロフェッショナルが全身全霊を込めて作ったCDと、素人がちょっと歌ってみました的なCDが同じ値段で売られていること自体がおかしい、と言ってました。

Re:坂本龍一さん
 村松 E-MAIL  - 09/11/19(木) 21:54 -

引用なし
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   ▼azさん:

情報を選別する能力がある人は、よい情報を集めるし、人によって全然違う情報の系を持っていると思いますね。蓄積される情報の格差も出てくると思います。

自分の知りたいことがはっきりしている人には、便利ではあるのです。

しかし、全体になるとまた全然違う流れが生まれますね。

Re:坂本龍一さん
 村松 E-MAIL  - 09/11/20(金) 11:08 -

引用なし
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   ▼Mr.Spiceさん:
>ちょっと話はずれますが…。
>坂本龍一はどこかで、そもそもプロフェッショナルが全身全霊を込めて作ったCDと、素人がちょっと歌ってみました的なCDが同じ値段で売られていること自体がおかしい、と言ってました。

結局、判定者は、売り上げ、数字、大衆なのです。

かつて大衆文学は、純文学より、一段二段低い存在として捉えられていました。

より高尚な世界というものがあって、そこには嘘もあっただろうけれども、本物もあったでしょう。
ところが今は、大衆がすべての判定者になってしまいました。

だから、批評というものも、ほとんど機能しないものになって、商品紹介やタイアップに埋もれてしまいました。

表現の上位下位があやふやになったのは、新しいジャンルが次々に現れて、乱立したからでもありますね。

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