[プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール特別企画 「ネットと無料」ニュース

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[生活や業界の状況] 村松恒平 09/11/9(月) 14:36
Re:[生活や業界の状況] 杉菜 09/11/12(木) 3:41
Re:[生活や業界の状況] 村松 09/11/12(木) 14:49
訂正 村松 09/11/12(木) 15:04
Re:[生活や業界の状況] 狭矢 09/11/16(月) 15:27
Re:[生活や業界の状況] 杉菜 09/11/21(土) 19:18
Re:[生活や業界の状況] 09/11/22(日) 5:07
Re:[生活や業界の状況] 杉菜 09/11/22(日) 8:36
質問なんですが 井元もとい 09/11/20(金) 21:54
Re:質問なんですが 村松 09/11/21(土) 12:58
ジレンマ 井元もとい 09/11/21(土) 22:18
Re:ジレンマ 村松 09/11/22(日) 10:35

[生活や業界の状況]
 村松恒平 E-MAIL  - 09/11/9(月) 14:36 -

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   こちらは、自己紹介やいろいろ身近な状況の変化を書いてください。
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Re:[生活や業界の状況]
 杉菜 E-MAIL  - 09/11/12(木) 3:41 -

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   村松様、こんにちは。このような、今の時代になくてはならない掲示板を作ってくださったこと、心よりお礼申し上げます。

某出版社で、文芸書の編集の仕事をしています。以前は勤めていたのですが、バレエを踊っているため、舞台および稽古との両立をはかるべくフリーとなり、本一冊ごとの契約で働いています。

昔なら、こんな働き方はできなかったと思います。ライターならともかく編集者は原稿のやりとりがあるため会社のデスクに常駐することが必須。今はネットがあるので、家にいながら、印刷所とも著者ともデザイナーとも、テキストデータおよびPDF、JPGのやりとりで本に仕上げていくことができます。

ネットばんざい と思っていましたが、さすがにここ1、2年で危機感を感じるようになってきました。
出版社まわりの人ならともかく、会社を一歩出ると、本を読んでいる人がいない。「春樹の●●読んだ?」「ああ、あれねー」みたいな会話を、もう数年、出版社外の方と、したことがないです。本、読む? とおそるおそる聞くと、「小学校のとき『宝島』とか読んだ」とか。『宝島』が読めるなら、そうとう、読書好きな子、あるいはそういうふうに育つ素養があった人のはずです。
バレリーナは体育会系だからそうなのでしょうか。私以外の人はどうなのでしょうか。小説家志望とか、そういう人以外で、いわゆる「読書家」にあったことは皆さん、ありますか。聞きたいです。私たちがお客様としているのは、もちろん、そういう方々であったはずだからです。

バレエの公演は、バレエを踊る人しか見に行きません。少なくとも日本ではそうです。
このままだと、本も、本を作る人しか読まない特異文化ジャンルになってしまうのではないかと思っています。

原因は多々あります。もう古い著作になってしまったけれど、『誰が本を殺すのか』に、詳しく分析されています。基本的に、あそこに書かれた延長線上に、本離れの理由はあると思います。

ただ、あの頃より、ネットが肥大し、活字離れに拍車がかかっています。

そういう私自身、本屋で本を買わなくなりました。編集者が本を買わなくなったら、これは「やばい」です。
街に、昔なら駅前には一軒はあった、味のある、がんこ親父さんがやっているような書店がありません。チェーン書店はどこも似た品揃えです。どんな新刊が出ているのか、マーケティング調査で覗くだけです。衝動買いしたくなるような、素敵な並べ方がされていないからです。もっぱら古書店。そして、必要な新刊は、ネットでキーワード検索して、ピンポイント買いです。
買わなくなったのは本だけではありません。
服も買いません。ネットオークションで、ただ同然の値段でブランド物が手に入るからです。郵送料だけはかかりますが。
おそらくそれらと連動しているのでしょう、ネットでは買いづらい生鮮食料品も、ほとんど投げ売りのような値段でスーパーで売られています。家具も、安いです。デフレスパイラル。こんな値段では店員さんの人件費も出ないのではと心配になります。

でも、消費者としては、「安い」のはありがたい。でも、作り手として考えると、「この値段では、作る人の気概が削がれる」と心配になります。

その二律背反の真っ只中に私たちはいるような気がします。

Re:[生活や業界の状況]
 村松 E-MAIL  - 09/11/12(木) 14:49 -

引用なし
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   ▼杉菜さん:

編集とバレエとは、文武両道ですね。

僕が雑誌編集者時代は、まだメールはおろか、ファックスもありませんでした。
原稿は手渡しです。
若いライターには、編集部まで来てもらいましたが、実績がある人とは、出向いて喫茶店であって、小一時間くらい雑談したものです。

便利な世の中にはなりましたが、その便利になった分はどこに消えてしまったのだろう、といぶかっています。

訂正
 村松 E-MAIL  - 09/11/12(木) 15:04 -

引用なし
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   >名前欄には、本名を入力しないようにしてください(ハンドルネーム推奨)。

こう書いてありますが、これは間違いです。

無記名ではなく、最低ハンドルネームはつけてください、ということです。
本名での発言も、別に僕としてはかまいません。

僕自身も本名ですから。

Re:[生活や業界の状況]
 狭矢  - 09/11/16(月) 15:27 -

引用なし
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   杉菜様、はじめまして。
私は大学3年生で、親のスネを齧って生きている分際です。バレエと編集のお仕事を両立なさっている、立派な大人の杉菜様とは立場も視点も甘いのですが、私の周りの読書状況を報告させていただきたいと思います。

>小説家志望とか、そういう人以外で、いわゆる「読書家」にあったことは皆さん、ありますか。聞きたいです。

私は文学部所属なので、周りには所謂「文系学生」が多いです。そのためかもしれませんが、「読書家」の学生は割と多いです。ですので、「村上春樹の●●読んだ?」「金欠で無理! 貸して!」「いいよー」という会話を、友人・知人の間でよく交わしています。

しかし、文学部所属なのに、「私、本読むの苦手」「読書って嫌い」と言っている学生が存在することも事実です。これらの発言を初めて聞いた時は、「文学部所属で本嫌いがいるのか!?」と、かなりショックを受けました。因みに私は文学部で心理学を専攻しているのですが、心理学専攻の学生は、国文学専攻の学生よりも本嫌いの率が高いです。

理系の学生は、小説の類が嫌い、という人が多いです。「本は歴史書か専門書なら読むけど」という学生はいますが。中には、専門書さえ読むのが嫌。文字がずらずらと並んでいるだけで頭が痛くなる。マンガしか読まない。という学生もいます。
……やはり本離れは確実に広まっているようです。

因みに、貧乏学生の私は本屋さんで本を買うことは稀です。特に単行本は、かなり勇気を出さないと買えません。それでも、好きな作家さんが世に出してくださった作品は、財布をはたいてでも買います。(ただ単に「欲しいから」、という欲望に突き動かされているだけなのですが)

でも、「本を安くすればいい」という問題では無いと思います。どんなに高くても、欲しかったらお金を貯めて買います。本好きさんは、絶対にそうだと思います。ですので、「本が売れないから、安くしてみよう!」
→原稿料を安くする
という方向には向かって欲しくないです。

まとまりのない文章で、申し訳ありません。世間知らずの戯言だと思って、お許しくださいませ。

質問なんですが
 井元もとい  - 09/11/20(金) 21:54 -

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   昔、盲目的にライターにあこがれていた時期があって、私にとっては宗教みたいなものだった時期があります。
その頃は、ギャラはいくらでもいいからライターになりたくて、その気分をあおるかのようにライター入門書がいくつか発売されていました。
現実世界でのコネが皆無だった私は、ネットで仕事を探していました。
得られたのは、一文字一円だかの内職。
インターネットの各サイトを徘徊して、集めた情報を提出するような仕事でした。

今現在、ライター志望者が何万人いるかは見当もつかないのですが。
かっての私のように「ギャラはいくらでもいいからライターとしての経験を積みたい」という志望者が、ギャラの引き下げの潜在的要因になっているということはないのでしょうか? それとも、ライター憧れ族の行き着く先は、Web内職仕事に限られるのでしょうか?

Re:質問なんですが
 村松 E-MAIL  - 09/11/21(土) 12:58 -

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   ▼井元もといさん:

そういうことが価格を切り崩している面はたしかにあります。

その仕事がたくさんあれば暮らせるのか、というは一つの基準だと思います。
一日コンスタントに4,000字書いて10万円そこそこでは、ワーキングプアもいいところです。

修行になる、ステップになる、ということがあればいいですが、簡単にいうと使い捨てで、そういう要素も希薄な感じですね。

Re:[生活や業界の状況]
 杉菜 E-MAIL  - 09/11/21(土) 19:18 -

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   ▼狭矢さん:

こんにちは。レスくださってありがとうございました。

文学部の学生さんたちが、ちゃんと本を娯楽として読んでいらっしゃることに、少し安心しました。
教科書や参考書しか読まない人、たしかに私のまわりにもいました。
楽しんで読んでくださる方がいないと、本屋(編集者も含めて)は倒産してしまいます!

鳩山不況で就職内定率か最悪……
というニュースを読み、まず思ったのは、

また、本を読んでくれる人が減る

ということです。
衣食足りて礼節を知る……というのとはちょっと違いますが、
明日はどうなるかわからない身で、絵空事の恋愛小説やファンタジーや血湧き肉躍る冒険小説を読めといっても無理な話です。

本当は、気の沈んでいるときこそ、本はカンフル剤になるのですが。

戦後、円本が大ブームになったときと、今とではたぶん、状況がまったく違うのでしょう。
何もなくとも、明日はもっとよくなるという希望があったから、みな、なけなしのお金をはたいて、娯楽本を買ったのだと思います。

……なんて、社会のせいにしていてはいけませんね。
どうな状況でも、手に取りたくなる一級の娯楽本つくりを目指して、頑張りますっ。

ジレンマ
 井元もとい  - 09/11/21(土) 22:18 -

引用なし
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   >修行になる、ステップになる、ということがあればいいですが、簡単にいうと使い捨てで、そういう要素も希薄な感じですね。

お返事ありがとうございます。
ライター志望者が、実績作りに血眼になるのは、ライター志望者のジレンマが影響しているのだと思います。つまりライターとして仕事を取るには、活字媒体に掲載された自分の文章を提示しなければならない。ところが駆け出しのライターを使ってくれる活字媒体はほぼ皆無。つまり永遠にチャンスが来ないというのが駆け出しライターの現状です。そこで、なんでもいいから仕事に飛びつくのですが。ネット系の仕事は実績にはならないことに気づきます。それまでの使い捨て要員ということですね。

Re:[生活や業界の状況]
   - 09/11/22(日) 5:07 -

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   杉菜さん、こんにちは。

>小説家志望とか、そういう人以外で、いわゆる「読書家」にあったことは皆さん、ありますか。

少なくとも私の周囲にはいます。書かないけど読みまくりたい人。ただ、読書家の方はそれだけ多くの本を消化するので手当たり次第に買うというのでは経済的に大変とかで、もっぱら図書館を利用するそうです。
……やはり本屋さんの売り上げには結び付かないのかもしれません。
私は好きな時に読みたいので必ず本屋で新しいのを買いますが、文庫はともかくハードカバーの新刊は高いので、良さそうなのがあってもやっぱり躊躇します。
ハードカバー買ってつまらなかったら、正直「お金返して」って思いますもの(笑)
いわゆるママ友たちとお話することもありますが、そういえば読書のどの字も出てきたことがありません。何読んでる〜?という話題にすらなりません。本を読む人と読まない人できっぱり分かれてしまっているような気がします。


あと、バレエは志していなくても公演を観に行くことはありますよ!
祖母は好きみたいでよく観に行ってます。DVDも集めてますし。まったく無知ではありますが、誘われて私も時々行くことがあります。
祖母は絵も好きで美術館にもよく出かけていきますが、絵画やら音楽やら小説やら有名なものは知識として一通り知っていないと恥ずかしいとよく子供のころに言われました。たしなみというやつですね。
昔はそこそこ裕福な家の子は親に連れられて演奏会や美術館へせっせと足を運んだものだとか。
でも今はかなりお金持ちの家の子でも知らないし興味がない……そもそも親に知識も馴染みもないので教えられないのです。それでは子供も興味を持ちにくいでしょうね。自分は本を読まないのに子供に難しい本を読めといっても説得力がないような……。


芸術とか美術とかもちろん良い小説も含めて、この世の粋と言われるものに幼い頃から触れさせて、素地を作るのは結構大切なのかなぁと書いていて思いました。
なにはともあれ、知らなくては始まりませんものね。。。

Re:[生活や業界の状況]
 杉菜  - 09/11/22(日) 8:36 -

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   華さま、大切なことを教えてくださってありがとうございます。

>祖母は絵も好きで美術館にもよく出かけていきますが、絵画やら音楽やら小説やら有名なものは知識として一通り知っていないと恥ずかしいとよく子供のころに言われました。


素敵なお祖母様ですね。学生のころ、とても趣味のよい友人がいて、小説はもちろん、絵も音楽も芝居もひととおりのものは観ていて、高価ではないけれど、いつも仕立てのいいお洋服を着ていたことを思い出しました。


向田邦子さんあたりの世代の方のエッセイを読むと、ご両親に、そのような躾を受けたことがそこはかとなく感じられる文章が出てきたりします。
記憶がおぼろなのですが、たとえば、

>子供のころ、母親に連れられてよく映画館に行った。
>母が私に見せたのは、白黒のヨーロッパ映画(たぶん「制服の処女」とか?)が主だった。母は私に見せるためではなく、自分が見たかっただけなのかもしれない。映画の内容は五歳の私にはさっぱりわからなかったが、ただ、丹念に画面を追う母の白い横顔が美しかったのを覚えている……

そんな一文をどなたかのエッセイで呼んだ覚えがあります。
戦前にこういう暮らしができた方というのは、おそらく東京の山の手育ちで、そこそこ裕福な家庭の方であったと思います。この一文を読んだとき、一瞬、私は暗い映画館の中にいて、隣に座る「母」の横顔が、スクリーンの明かりに照らされて白く光るのを「見ました」。

本(文章)ってすごい……と、またその話に戻ってしまうのですけれど。たぶん、この一文を今だに覚えているのは、自分が、教養というものを授けてくれる「母」をシンボライズとして「見る」ことができたこと、また、それを伝える文章の力に打たれたこと、そして、意味などわからなくとも子供のうちからよいものをどんどん見せていくと、記憶は何かの結晶のようにその人の身内に残り、文章で書きあらわす、あるいは何かの作品を作る、あるいは立ち居振る舞いににじみ出るといった形でいつか結実する――そうしたことが込められている一文であったからだと思います。

お金持ちの方、ハリウッド映画なんか見ていないで、バレエの公演でも何でも観に行ってください! と、声を新たにしてしまいます(笑)。ほんと、S席2万円とかたいそうな値段ですから。でも、行くと、確かに、集まっているのはバレエやってます(知人でなくても、体型と歩き方でわかる)という感じの人ばかりです。

大人が作った一流のものというのは、映画でも小説でも舞台でも、わかりやすくはないです。でも「見栄」(知っていないと恥ずかしい)は大切です。無理やりでも観ていると、あるいは音楽なら聴いていると、いつか、自分の身内に染みていきます。

本も、たとえば、「意味などわからなくても岩波文庫の青帯はぜんぶ読む。でないとカッコ悪い」といったささいなきっかけがないと、なかなか読み始められるものではないのかもしれません。

今は、「知らないとカッコ悪いもの」の基準が、何だか、「知らなくても実はどうでもよいもの」に移ってしまっている気がします。どうでもいいものをいかに付加価値を見せて売るかが「商売」に……。

しかし、大衆は馬鹿ではないです。あらゆるものが売れなくなっているのは、「エスキモーに氷を売る」ような真似をし続けた、製作者側への罰です。

長くなってすみません。読んでくださってありがとうございました。

Re:ジレンマ
 村松 E-MAIL  - 09/11/22(日) 10:35 -

引用なし
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   ▼井元もといさん:

昔からライターになる方法ってうやむやで、勘のいい人、行動力のある人、縁のある人がいつのまにかまぎれこんでいるんだよね。

しかし、今は仮になったとしても、その先の夢もチボーもあまりない状況ですねー。

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