[プロ編集者による] 文章上達<秘伝>スクール特別企画 「ネットと無料」ニュース

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[雑談からまじめな議論まで] 村松恒平 09/11/9(月) 14:33

Re:とりとめもなく… Ashita 09/11/19(木) 22:24
Re:とりとめもなく… 村松 09/11/20(金) 11:35
Re:とりとめもなく… Ashita 09/11/20(金) 22:52
Re:とりとめもなく… 村松 09/11/21(土) 13:09
百人書評 Ashita 09/11/22(日) 9:17
Re:百人書評 村松 09/11/22(日) 10:47
Re:百人書評 Ashita 09/11/23(月) 0:10
Re:百人書評 村松 09/11/23(月) 10:24

Re:とりとめもなく…
 Ashita  - 09/11/19(木) 22:24 -

引用なし
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   「ネットと無料」のメルマガ記事、サイト、掲示板を読んで、ここ数日
いろいろと考えてみました。

私は、『1通目のメール』の方が書かれているような環境に住んでいます。
大きな書店に行くチャンスがなくて、ネットで本を購入する機会が増えつつも、
ネットの影響か、久しぶりに訪れてみた書店が、いつのまにかなくなっているのを
知ったりすると、とても寂しい思いをします。

「ネットと無料」と話がそれるかもしれませんが、家電製品なんかでもネットの
情報や価格で選んで、商品だけ店頭で確認とか、販売員さんにさんざん機能などを
質問し、値踏みをしたあげく、ネットで買う、という人は少なくないと思います。
これも「情報はタダ」的な使い方ですよね。
書店も、立ち読みは黙認されているお店が多いですから、立ち読みだけして、
買うのはネットの中古で、ということもあると思います。

これが過ぎると、家電店や書店は商品のショールーム化となってしまいますよね。
車やキッチンなどのショールームであれば、ショールームの運営費はメーカーさん
が出すのでしょうが、家電店や書店がこういった利用をされていると、
なりたたないでしょう。
書店で、背見出しに惹かれて手に取った本の扉を開き、そのまま家に連れて帰り
たくなる本との、思わぬ出会いを愛する私は、こちらのほうも心配です。

ここで、「ネットと無料」のほうに話を移しますが、私は、ネット上に無料の
情報が氾濫していることや、無料の情報だけを漁る人がいるのは、そう責められる
ことだとは思いません。
私もよく無料情報を利用し、とても有難く活用させて頂いていますし、必要で
あれば買うこともあります。

ネットに限らず、自分でろくに調べもせずに、人に何から何まで聞いたり、
年がら年中、悩み相談を持ちかけて来てコメントを求める人は、けっこう私の
周りにいます(笑)。
デパ地下で、試食品のつまみぐいのハシゴをする人が来るようになるから、
デパートでは試食をさせるな、というわけにはいきませんものね。
(ちょっと、例えが違うかな…)

それが、ネット上であろうと、リアルなものであろうと、流通するものが増え
れば、選択肢は増えるわけですし、情報を比較検討するチャンスも増えるという
ことではないのかな、と思うのです。
(ネットの情報をなんでも鵜呑みにする人、内容のよしあしを比べない人、
 見分けがつかない人、というのは、もともと本も読まない人のような気が
 します)

ネットというものが悪用されたり、トラブルのもととなったりということも、
たくさん出てきたいっぽうで、自分の情報や経験を惜しみなく出したり、悩み相談
に対して親身な意見を寄せたり、どれだけ時間をかけたか計り知れない自作の
ソフトをフリーで提供して、その上バージョンアップの対応までされている人が
いるのを見ると、私は、かえって、世の中捨てたもんじゃないな〜、と思います。

文章(小説)でも音楽でも、確かに「亜流の増産」にはなったのでしょうが、
私はネットのおかげで、隠れていた才能が世に出てくるチャンスや窓口が増えた
のではないかとも思います。
逆に、ネットの中からでも商品化されるもの、たくさんの人に支持されるものと、
その他大勢のものは、やはり何かが、どこかが違うんだろうと、気づかされる
きっかけにもなっています。

無料の情報がパソコンで手に入るから、書店に並ぶ本の価値も低く見られる、
というようなご意見もありましたが、だからこそ、プロは亜流の目新しさや手軽さ
などには負けない、その人ならではの価値のあるものを提供しなければならない
のではないでしょうか。

無料で情報や作品を出すことに抵抗のある方も多いでしょうが、宣伝費、参加費
をかけずに、自分の作品を宣伝できる場として、割り切られるのもひとつの
考え方かな、と思います。そこで、「お金も払わないような人」からの、悪意ある
感想やリクエストがあったとしても、平然と無視するという訓練!?として、
乗り越えれば、プロになった時に「お金を払った人」ならではの上から目線!?の
コメントにも同じように対処できるような気がします。

今は、写真や名刺や年賀状の印刷から天然酵母のパン焼きまで、以前はプロに
頼んでいたものが、手軽に家庭でできるようになりました。それでも、プロはプロ
として、印刷業や製パン業をはじめ、いろいろな業界で、「値段優先」で
「違いがわからない」消費者が増えていくなかで、いかに本物の価値を伝えるか、
がんばっていかなければならないのでしょう。

私の夫も建築系の職人ですが、消費者という以前に、元請側の人や会社に、
「値段優先」「違いがわからない」人が増えてきています。それでも、なんとか
他の職人と差をつける努力や工夫をするしかありません。

「世の中に出るに値する才能は、必ず世に出る」と、いつか何かで目にしました。
私の好きな言葉です。

今は、とりあえず出るに値しなくても、ネット上にはいろいろなものが出てきて
しまうわけですが、ネットの海に浮かぶ雑他なものに目をとられているうちに、
底のほうから見たことも無いような生物や鉱物が、ある日、陸にあがって
私たちを魅了してくれることもあるかもしれません…。

Re:とりとめもなく…
 村松 E-MAIL  - 09/11/20(金) 11:35 -

引用なし
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   ▼Ashitaさん:

「違いがわかる人がいなくなっている」。
この現象があらゆる分野で猛威をふるっています。

編集者でも、同じですね。

結局、等質なものとして扱わないと値段を叩けないので、見ない。そのほうが楽なのかもしれません。
その結果、評価能力自体も一面的でうすっぺらになっていきます。

価格.comの価格比較も、製品が全く同じだから価格競争になります。
表現はそういう一元化の波と戦わなければいけません。

つねに表現者は淘汰されて、本当に良質な才能だけが生き残る戦いをしてきました。
この時代においてもそうでしょう。
だから、絶望しているわけではないし、またネットの恩恵を否定するわけでもないのです。

しかし、全然楽観もできない閉塞感はあって、新しいアクションを起こす必要があるだろうと感じています。

Re:とりとめもなく…
 Ashita  - 09/11/20(金) 22:52 -

引用なし
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   村松様

数日考えたものの、まとまらない内容をそのまま書いてしまったのですが、
返信をいただいて、とてもうれしかったです。有難うございます。

>結局、等質なものとして扱わないと値段を叩けないので、見ない。そのほうが楽なのかもしれません。その結果、評価能力自体も一面的でうすっぺらになっていきます。

なるほど、「評価する」ということ自体、手間ひまがかかりますし、エネルギーもいりますものね。
ましてやお金の受け渡しが絡むとなると、客観性なり、一貫性も要りますし。
今までそんな風に考えてみたことはなかったのですが、あえて、「違いは見ない」
という姿勢なのかも、と思えば納得させられてしまいそうです。

「表現」にはいろいろな形がありますが、音楽や絵画やその他のものと比べると、
なんらかの文章を書く、小説を書く、ということは、とりあえず素人が、
なんの元手も準備もなしに手を出せてしまえますよね。そう思えば、文筆業と
いうのは、「違いのわからない人」そして、「違いをあえて見ない人!?」が
ますます増えていきそうな現実では、いろいろな表現者の中でも、一番大変
なのでしょうね。

この掲示板の中で、あの坂本龍一さんでも、「プロフェッショナルが全身全霊を
込めて作ったCDと、素人がちょっと歌ってみました的なCDが同じ値段で売られて
いること自体がおかしい」とどこかで言ってらっしゃったというコメントが
あって、いろいろな意味で、びっくりしました。

機材や設備でプロとアマの差をつけられそうな音楽よりも、「言葉」という
誰でも同じように使える素材で勝負をしていかなくてはいけない表現者は、
ますます理不尽な思いをされることが多いでしょう。

それでも、私や夫のように、「表現」をしたくても手段が「建築」となれば、
材料や空間など、それなりのものが要りますから、自分の好きなときに、
好きなだけ表現をする、というわけにはいきません。それらを無しに表現できる
手段を選ばれている人が、ちょっぴりうらやましくもあります。
(しかも、設計には「著作権」はありませんから…笑)

それにしても、あえて、こういった、ネットの影響力を上手に使って、
このサイトで問題定義されていることに、何らかの進展をさせたいものです。
私も皆さんの投稿を読ませていただきながら、引き続き考え続けていきたいと
思います。

Re:とりとめもなく…
 村松 E-MAIL  - 09/11/21(土) 13:09 -

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   ▼Ashitaさん:

結局評価といういちばん人にしかできない機能を手放すことでシステムや合理化が成り立っているのです。

ブックオフも、旧来の古書の価値評価というものを捨てたところで、マニュアル化できたでしょう。

建築は、法律や施主、素材など外のものに縛られることが多いですね。

文章は自由ですが、自由なわりにみんな何かをお手本にして同じようなものを書いている。
それがつまらんですね。

百人書評
 Ashita  - 09/11/22(日) 9:17 -

引用なし
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   ここのところ、このサイトや<秘伝>メルマガを読んでは、ネットと無料について
考えていますが、昨日また、思いついたことがありました。

私は、創刊された年に何冊か読んで以来、すっかりごぶさたですが、
『ダ・ヴィンチ』という雑誌に百人書評、というのがありましたよね。

私は面白い企画だな、と思ったのですが、題材にされるのが、毎号一冊だけ
でしたし、自分にとってあまり興味の持てない本だったりして、書評に
参加したことはありません。

今回、こういった書評を寄せ合うということを、ネットならではのスペースの
制約の無さをいかして、、一冊でなく、何冊でも題材にしておこなえば、
面白いのではないかな、と思いました。

すでに、Amazonでは、各商品に「読者レビュー」という欄があって、私は、
本を買うかどうかの判断の参考にするだけでなく、たった今、自分が読んだ本を
他の人がどのような感想を持ったのかを見たり、興味深いレビューを書いて
いらっしゃる方が、他にどのような本を読んでいるのかを、調べたりするのにも
利用しています。

レビューを読んでいると、同じ本でも、賛否両論があって、自分が読んだら、
どちらの感想を持つのだろう、という興味からその本を買ってみて、さらに、
その感想をレビューに投稿してみたり。

特に惹かれるレビュアーのプロフィールは「お気に入り」に登録して、じっくり
その方の読書の履歴をたどり、そこから「こんな本を読みたかった!」と思える
ような本との出会いがあったりもします。
立ち読みとはまた別の、面白い本の探し方ともいえます。

「ネットの中には編集者がいない。」ということですが、せめて、いろいろな人が
同じ本の書評を語り合い、文章の奥深い味わい方、本から読み取るものや
視点などの多様性、違いを知って切磋琢磨することで、次第に書くという行為にも
向上心や、緊張感ができ、結果、本物の文章が求められることに繋がるのでは
ないかと思います。

取り上げる本を、どのように選ぶかや、書評を投稿したくなるような魅力的な
サイトにするということにも工夫が必要でしょうし、冒頭にすでに書いたように、
その本に興味が持てなければ、結局は人の書評も読まないし、読むことより
書くほうにばかり先走る人に対しては、やはり無意味なものかもしれませんが…。

Re:百人書評
 村松 E-MAIL  - 09/11/22(日) 10:47 -

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   ▼Ashitaさん:

そういう趣旨の書評サイトはいろいろあります。
たださほど力を持っているという話はまだ聞きません。

やがて出てくるかもしれませんが。

力を持てば、今度はタイアップを始めたりすることもあるでしょう。

束になっても柴崎コウ一人に敵わない、というのは事実です。

Re:百人書評
 Ashita  - 09/11/23(月) 0:10 -

引用なし
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   ▼村松さん:

>束になっても柴崎コウ一人に敵わない、というのは事実です。

なるほど、それなら、柴崎コウさんに「読書ブログ」でも始めていただいた
ほうが、一気に読書人口が増えるかもしれませんね(笑)
それにスポンサーがつくと、また変な方向に行ってしまうのでしょうが…。

それにしても、タレントさんやお笑い芸人さんの影響力は大きいですよね。
最近は、ますます芸人さんの書かれた本が目立つようになりましたし。

そういえば、田村裕さんの「ホームレス中学生」も、普段は本なんて一切
読まない高校生の姪が、珍しく読みたがって、親が買ったというので、
私も貸してもらいました。

本の中に綴られている田村さんのご経験や、心情などを否定するつもりは
まったくありませんが、私は読んでみて、「これが今時のベストセラーなのか…」
(ちょっぴり、がっかり)と思いました。

姪のように、主人公に近い年齢の読者が読むのには、とっつきやすく、
わかりやすい表現で、だからこそ多くの人に読まれたのかもしれませんし、
その後、あの本をきっかけに、読書に目覚める人が増えていることを願います。

と書きつつ、ここでも、「これなら、俺(私)にも、書ける」と思って、
ネットに向かう人が…という流れを想像してしまう、私です。

Re:百人書評
 村松 E-MAIL  - 09/11/23(月) 10:24 -

引用なし
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   ▼Ashitaさん:
テレビでいつも見ている人に対して親しみがあり、そして、わかりやすい&プラスアルファ何か、があれば売れるのでしょう。
売れないタレント本もあるとは思いますが。
某大物演歌歌手の自伝的な本を頼まれて持ち込んだことがあって、大手出版社の反応が悪くてびっくりしたことがあります。
スキャンダラスなことを赤裸々に書かないと、有名でファンがいるだけでは、商売としては面白くないみたいです。

タレント本はわかりやすく平たいものが売れるようです。

僕が若い頃、本に求めていたのは、自分の知らない深みや高みでしたが、こういう本を読む人は、そういう世界に興味もなければ、探求する知力体力気力もない、みたいな感じでしょう。
そもそも知らない、眼中に入らない、というほうがより正しいかもしれません。

こういう人に僕の本を読んでもらうのはなかなか難しい…(笑)。
しかし、考えないといけないかもしれません。

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